末期がん患者は「在宅医療」の方が幸せという現実 年間200人超を看取る名医が語る

写真はイメージ

 もちろん、満足のいく在宅診療を受けるには、24時間365日患者に対応してくれる医師や訪問看護師、家族に負担がかからないよう食事やおむつの世話をしてくれるよう介護体制を整える優れたケアマネジャーなど、複数の条件が必要となる。

「もし、患者さんの家族に負担がかかるとしたらそれはその地域の在宅診療や介護体制になんらかの問題があるからだと思います。残念ながらそうした地域は多い。本来、24時間体制で真剣に家族と向き合う医師、看護師、介護職が連携することができれば、重い疾患の患者を病院に通院させるよりも家族の負担は減ることにつながるのです。私たちのクリニックでは、新しい患者の9割は、介護職の方々から家族負担を軽減するために在宅診療に入って欲しいと頼まれ診察をスタートします」

 その結果、家族は患者さんに愛情を注ぐことが可能だという。

4 / 5 ページ

関連記事