末期がん患者は「在宅医療」の方が幸せという現実 年間200人超を看取る名医が語る

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 患者からすると、麻薬やステロイドを使う、というとそれだけで自分の人生を諦めさせられているように感じる。

 しかし、在宅診療で苦痛の状態をきめ細かく確認し、それらの薬をうまく利用すれば緩和はもちろん、延命にもつながり人生を有意義に過ごせる。

「在宅診療は、裕福な家族に囲まれたぜいたくで特別な医療サービスのように思われがちです。しかし、実際は身寄りがない方や生活保護を受けている方々も少なくありません。当然、全ての治療行為が医療保険適用になるので、収入に応じた上限額を超えることはありません。例えば、1割の保険料の方だと1.8万円が医療費上限です。がん末期の方だと看護師による連日の介護的なサポートや緊急の往診費用などもそこに含まれるのです」

■在宅診療は高度医療も行える

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