痛みのない暮らしを取り戻す

仕事での強いストレスで顔面神経麻痺 目と口が閉じられず…

写真はイメージ(C)kieferpix/iStock

 コロナ禍で大学の授業がオンラインに切り替わったそうなのですが、パソコン作業が不得手な栄子さんにとって、オンラインでの授業やパソコンで行う課題添削など、すべてのパソコン業務を一人で行わなければならず、そのストレスが重なって顔面神経麻痺を引き起こしていたのです。

 顔面神経は顔の表情筋の動きを制御しています。来院時の栄子さんの麻痺のスコアは40点満点中7点でした。

 このスコアは点数が低いほど麻痺が強く、10点以下だと麻痺で相当つらい状態です。

 私は栄子さんに星状神経節ブロックをお勧めしました。星状神経節は首にある交感神経節で、首や顔の痛みや、運動麻痺の緩和に高い効果を示します。硬膜外ブロックの経験のある栄子さんですから、星状神経節ブロック療法についてもすぐに理解してもらえ、治療に入りました。

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西本真司

西本真司

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

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