健康長寿に役立つ高齢薬膳

【アナゴ】「肝」をパワーアップして「血」を増やし健康な爪を育む

アナゴと小松菜の卵とじ(提供写真)

 中医学において、爪は「肝」と呼ばれる臓器と関係が深いとされています。「肝の華は爪である」といわれ、肝の状態は爪に現れると考えます。よって、肝の働きが衰えると爪にトラブルが見られるのです。肝は血を貯蔵するとともに、全身の血流を調整する働きがあります。血の不足も、ひいては爪に悪影響を及ぼしてしまうのです。

 健康な爪を育むためには肝の働きを高め、血を補う食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはアナゴ。肝のパワーをアップしてしっかりと血を増やす効果が高い魚介です。また、人間のエネルギー源である気を補う働きにも優れ、滋養強壮、免疫力アップにも役立ちます。そのほか、疲れ目、高血圧、動脈硬化にも良く、シニアには積極的に取り入れていただきたい食材です。

 お寿司やてんぷらのイメージが強いアナゴですが、スーパーで煮アナゴや白焼き、かば焼きが販売されています。刻んでひつまぶしのようにしたり、サラダにトッピングするのもおすすめです。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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