「水分の取り過ぎ」で体調を崩すケースも 在宅高齢者は注意

水分の取り過ぎで危険なケースも

 脳梗塞や心筋梗塞を発症したある高齢者は、「血液をサラサラにするために水分をたくさん取るようにお医者さんに言われたんです」と言い、1日2~3リットルの水分を取っていた。

 水分をたくさん取ったからといって、血液がサラサラになり脳や心臓の病気を防げるわけではない。それどころか体にとって大きな負担になってしまう。たとえば、心臓が弱っている人は体内の水分を腎臓で処理して尿として排泄することができずに、体内にたまってしまう。

「体内の水分がたまると血液量が増えて心臓に負担をかけます。また、増えた水分は肺でしみだしてたまるため、肺の機能も悪化させるのです。その結果、全身に送る酸素量が減って全身状態が悪くなってしまいます」

 こう説明すると、多くの高齢者は「夏場は脱水が心配で……」などと反論する。しかし、自宅での脱水の原因は水分不足ではないと山中医師は言う。

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