「水分の取り過ぎ」で体調を崩すケースも 在宅高齢者は注意

水分の取り過ぎで危険なケースも

 こうした高齢者の中には、夜間頻尿を訴え、薬を希望する人も多い。しかし、そのほとんどが水分摂取過多であり、薬を増やすより寝る前の水分摂取を減らすことで解決するケースが少なくない。

 医療現場では、他に点滴による水分過剰摂取が問題になる場合もある。

「がんの末期や肝硬変の患者さんの多くは、腹水がたまったり、足に強度のむくみが出る人がいます。病気で水分の代謝が悪くなっているからですが、別の原因もあります。よく目にするのが病院での過剰点滴です。普段診察している医師や看護師が日常の『水分量』をしっかりと正確に確認して、薬を出したりすればいいのですが、『血管内脱水を防ぐため』と言いながら過剰な点滴をする一方で、水分を体から出すための利尿剤を投与したり、腹部に針をさして腹水を抜いたりする。無理に体に水分を入れて、無理に抜くのは、体への負担が大きい。特に腹水を抜くときは血圧が大きく下がったり、必要な栄養が抜けてしまったり、命に関わることにつながります」

4 / 5 ページ

関連記事