老親・家族 在宅での看取り方

近づく最期…患者への一番の治療は家族がそばにいること

写真はイメージ(C)PIXTA

 娘さんの不安が少しでも軽減するよう、こう伝えました。加えて、患者さんを見守る中で、何か気になることがあった場合は、メモに取るなど記録してもらうようにお願いもしました。

「わかりました。ありがとうございます。心配になってきた時は電話したらいいですか?」(娘さん)

「はい。こちらに電話してください。小さなことでもいいので電話してください」(私)

 こうして日々確認しながら、自宅での療養を続けていきましたが、在宅開始から5日後に患者さんは急変。ご家族の見守る中、旅立たれていきました。

 たった5日間の在宅期間でしたが、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔してしまうようなことを、少しでも減らせたのではないかと思っています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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