およそ2時間後、診察室に呼ばれ、「肺に腫瘤の影があります。胸椎、腰椎の骨にも問題がありそうです。詳しく調べてみましょう」と言われました。「がんでしょうか?」と尋ねると、「その疑いがあります」との答えでした。それで1週間後、採血の追加検査、肺のCT検査、骨シンチグラムの検査が行われることになりました。
がんの疑いと聞いて、愕然としました。2人に1人はがんになる時代と聞いていましたが、とうとう自分にもきたか。それにしても肺と骨にがんがあるとすると、もう、末期なのかもしれない……。仕事をどうするか、離れて暮らしている息子にはいつどう話すか、お墓は、お金は……いろいろな思いが頭の中を堂々めぐりして、不安が募りました。
それでも、「まだがんと確定したわけではない。検査が終わってから考えよう。良い結果だってあるかもしれない」と、自分で自分を励ましていました。
がんと向き合い生きていく