がんと向き合い生きていく

ステージ4の前立腺がんでも抗がん剤が劇的に効くことも

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 翌週、検査を終えた3日後にその結果を聞くことになりました。総合内科の担当医から、「肺には腫瘤が3カ所あって、がんの転移が考えられます。骨にも何カ所か転移と思われる影があります。それから、PSAという前立腺がんの腫瘍マーカーが異常に上昇しています。前立腺がんが疑われます。泌尿器科を紹介しますから診てもらってください」と説明を受けました。

 私は「やっぱりがんだったか……それにしても、まさか前立腺がんとは考えもしなかった」と思いながら、「どれくらい生きられますか?」と尋ねてみました。すると、「もしがんで、転移があってステージ4だとすると、短いこともありうるかもしれません」と曖昧な答えが返ってきました。

 翌週、紹介された泌尿器科を受診しました。泌尿器科の担当医は、さっそく前立腺の生検を行ってくれました。その組織検査の結果は7日後に分かり、一部悪性度が強いところもある前立腺がんであることが確定しました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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