ただ、それが本当に親や祖父母のためになっているのか。かえって、足腰を弱らせたり、意欲を失わせる言動になっていないか。歩いたり人と交流したりせず、基本的に自宅で過ごし、たまの外出は息子や娘が運転する車に乗って……としていれば、転倒・骨折のリスクは減るかもしれませんが、年を重ねるほど歩行機能や認知機能が低下していきます。
なので、何よりも自ら動こう、楽しもう、という意欲があるときには、ご家族はそれを実行できるように考えてあげるべきです。リスクはつきものです。さりげなくサポートできる態勢を用意し、万が一の時にはどうするかも考えておけばいいと思います。何かあったとしても、「行動しないで後悔」よりは、生きている証しです。
今は、80歳、90歳になってもアクティブな方が大変多いです。「もう年なんだから」とは、周囲はもちろん、ご本人も思わないでいることが、健康で元気な人生100年時代の実現につながるのです。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う