それだけではありません。実は、怒る側にもデメリットがあるのです。
皆さんも経験したことがあると思うのですが、最初は理性的に叱ろうとしていたのに次第に気持ちが高ぶってしまって、感情的になってしまう──。「叱る」つもりが「怒る」アクションへと変わってしまう、「怒りのエスカレーション」と呼ばれる現象です。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のエワートらの研究(1991年)では、10分間にわたって反発的なコミュニケーションを取らせたところ、怒っている人の血圧がどんどん上がっていきました。
私たちは怒りを覚えると、神経伝達物質であるアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。顔が赤くなったり、血圧が高くなったり、心臓の鼓動が速くなったりするのは、これらの神経物質によるものです。
そして、怒りを抑えるのが前頭葉と呼ばれる脳の部位なのですが、前頭葉が働き出すのに4~6秒かかると言われています。ですから、アンガーマネジメントでは、怒りを覚えたら「6秒数えよう」などと言われているわけです。
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