睡眠をなるべく妨げないお酒の飲み方とは? 睡眠外来の作業療法士に聞いた

眠れないから飲んでしまう…

 また、アルコールには体内の水分の排出を促す利尿作用があり、夜間多尿を招いてこれも中途覚醒につながる。さらに、そうした作用によって「脱水」が生じ、お酒を飲めば飲むほど汗や尿によって体の中の水分が失われていく。

 この脱水状態も睡眠の質を低下させる大きな要因になるという。

「われわれは睡眠中に500~600ミリリットルの水分を失っています。そのうえ、アルコールの代謝にはたくさんの水分を必要とするので、お酒を飲んでから寝ると、就寝中の脱水を起こしやすくなるのです。体内の水分が減ると、血流が悪化して細胞へ供給される酸素などが少なくなり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて睡眠に悪影響が出ます。また、体内の水分が減った分、覚醒作用があるアセトアルデヒドの血中濃度が上がります。酔ったまま眠りについて脱水状態で目覚めると、頭痛や吐き気といった二日酔いの症状が出るのはそのためです」

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