大崎国保コホート研究では、前立腺がんにおいては睡眠時間が長いほど罹患リスクが低いとの結果が出ている。
これに関しては、睡眠時間7時間未満、7~8時間、9時間以上の3群で比較。7~8時間の群を基準としたところ、7時間未満群では前立腺がん発症率が高く、9時間以上群では発症率が半分以下だった。
「発症者の平均年齢も着目すべきところで、長時間群では64歳だったのに対し、7時間未満と7~8時間の2群が58歳と、若かったのです」
乳がん、前立腺がんに限らず、睡眠時間が短いとがんの発症リスクが高くなりそうだ。
マウスにがんを注入し、寝不足のマウス、そうでないマウスを比較した動物実験では、寝不足のマウスはがんの成長速度と大きさが2倍に増え、攻撃性が増し、転移も多かった。
2万5000人を対象とした大規模研究では、睡眠時間が6時間以下の人は7時間以上の人と比べてがんの発症リスクが40%増加するとの結果も出ている。