「睡眠薬」の現在…ベンゾジアゼピン系から新タイプへの切り替えが進んでいる

睡眠薬は、生活習慣の改善などの睡眠衛生指導を行ったうえで、短期的に使うもの
BZ系は依存や副作用が起こりやすい

 しかし、近年になってBZ系には依存性があるうえ、さまざまな副作用が現れることがわかり、長期にわたる乱用が問題視されている。

「服用の翌日も眠気が持ち越され、倦怠感が続き、集中力や注意力が低下して物忘れが多くなったり、無気力になる場合があります。運動能力が低下したり筋力の弛緩が起こるので、交通事故や転倒・骨折のリスクも高くなります。また、BZ系を常用している人の中には、普段は抑制されている中枢神経系に脱抑制が生じ、急に攻撃的になったり、興奮したり、衝動的になるなどして、理性のタガが外れて突発的な自殺行動につながりやすくなるケースがあると報告されています。さらに、服用してから睡眠中の記憶がない状態で、起き出してクルマを運転していた、買い物に出かけていた、冷蔵庫の中の食品を食べていたなどの前向性健忘が見られるケースもよく耳にします。自分では防ぎようがないので、大きな事故につながる危険があるのです」

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