老親・家族 在宅での看取り方

自力で歩いての通院が「病気に打ち勝つ気概」の確認になっていたが…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 自分の足での通院が、ご本人にとって病気に打ち勝つ気概を確認することのようで、まだ通院は続けるおつもりだったため、実は今回の在宅医療は不本意だった様子です。

「ご通院はだいたい金曜日?」(私)

「はい」(患者)

「わたしたちの訪問頻度ですが」(私)

「10日くらいでいいかな」(患者)

「では2週間後に」(私)

 まずは私たちが訪問する頻度を確認し開始となりました。

「抗がん剤治療をやるとかは?」(私)

「向こうの先生と大ゲンカしてね。最初っから余命5年とか言われて。なに言ってんだって! あまり信用してないんだよね。仲は悪くないんだけどさ」(患者)

「説明しないといけないと思って言ったのかもですね」(私)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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