五十肩を徹底解剖する

肩から遠い膝や足に問題が起きて肩関節に影響が出ることも

(筆者提供)

 ここで、体というチームをもとに肩の動きを考えてみます。たとえば可動性関節である股関節が硬くなってしまいました。本来、安定性関節である腰椎は、股関節が動かないのをカバーして無理に動こうとします。すると腰椎の上にある可動性関節である胸椎は、腰椎が安定しないのをカバーして無理に固まろうとします。

 次は、肩甲胸郭関節、肩関節……と仕事を押し付けられ負担がたまり、ついには痛みにつながってしまいます。たとえ遠くの膝や足に問題が起きても、肩関節に影響が出ることがあるのです。

 今回は、動くべきところはストレッチして柔らかく、安定すべきところは鍛えるトレーニングをまとめた動画(https://youtube.com/@user-dx6sn9kp8d)を紹介します。

 遠回りでも全身の協調運動を高めていくことが、結局は五十肩を克服することにつながるのですね。

 本稿は、山手クリニック・五十嵐郁弥先生からご指導いただきました。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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