老親・家族 在宅での看取り方

病状が厳しいからこそ、自宅に戻って家族と一緒に過ごしたい

写真はイメージ

「はじめまして」(私)

「よろしくお願いします」(夫)

「具体的な予後はお聞きでしょうか?」(私)

「新年は迎えられないかもしれないって。抗がん剤が効かなくなって、新しい抗がん剤のために入院したんですけど。なんとかお正月までもって欲しい」(夫)

 お正月は、娘さん夫婦とお孫さんみんなで過ごす予定とのこと。

「今、一番不安な点はなんでしょうか?」(私)

「特には、大丈夫です」(夫)

「まだ自宅に帰られたばかりですしね、これから過ごしてみてからだとは思いますが。もしも急に体調が悪くなった場合に看取られる場所は、ご自宅でと考えていますか?」(私)

「はいそのつもりです」(夫)

「呼吸が乱れた時に病院は希望されませんか?」(私)

3 / 4 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事