相性が合う医師を求め…精神科医は5回代えても代えすぎではない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 医師の都市部偏在は社会問題だが、地方では精神科医を見つけるのが困難という地域もあり、数不足は歴然と存在する。それ以上に追いつけていないのは、「質」だ。

 精神疾患はうつ病だけではない。統合失調症に躁うつ病、適応障害、パニック症などの不安症、PTSD、薬物やアルコールなどの依存症、パーソナリティー障害、認知症、近年激増する発達障害など、扱う領域が膨れ上がっている。

「一方では、専門的な細分化も進んでいます。これらの全てが“精神科”とひとくくりにされ、1人の精神科医に治療能力まで求められてしまっているのです」

 たとえば内科ならば「循環器内科」「消化器内科」「腎臓内科」と分業化されているが、精神科はそうではない。患者が特殊な児童思春期でも、児童精神科医などは非常に少ないため、詳しくない一般精神科医が対応せざるをえない。

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