老親・家族 在宅での看取り方

なるべく楽に最期を迎えられるようお手伝いをしてもらいたい…末期がんの夫と暮らす妻の思い

最愛の方と過ごす大切な時間を最期までサポート

「これまでの透析は週3回?」(私)

「はい。透析やめると毒素が脳に回るって」(妻)

「透析をやめてからのことを考えると、(最期の時まで)2~3週間かと。でも先入観を持たず、状態に合わせて、お薬使うのでいいのかと思います」(私)

「会わせたい人に会わせた方がいいですね?」(妻)

「そうですね」(私)

「わかりました。治るものではないと思っているので。ああなると(余命は)どれくらいでしょうか?」(妻)

「この期間で絶対ってことはなくて、個人差があるんですよね」(私)

「そうですよね」(妻)

 努めて平静を装いながらも、動揺を隠しきれない奥さま。近づくお別れの時を迎える心の準備を、私たちと交わす対話を重ねながらされているようでした。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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