講演が終わった夕方、宿泊するホテルに戻り、フロントで近くの駅までの翌朝のタクシー予約をお願いしました。私は朝6時半過ぎの東京行きの電車の切符を持っていました。翌日の午後に予定が入っていたので、昼ごろには東京に戻る必要があったのです。
翌朝6時過ぎに駅に着くと、なんと、ホームに品川先生がいらっしゃいました。私がその日の早い列車に乗る予定をどこかで知って、見送りに来られたのでした。私はとても恐縮し、品川先生の温かい姿勢や人柄に触れた気がしました。
さらに後日、品川先生が中心となって、年に何回か発行されている「セミナー医療と社会」の機関誌を数回分送ってくださいました。
品川先生は、大学退官後、1991年12月から「セミナー医療と社会」を創設、主宰され、執筆、社会啓蒙、海外援助などに力を注がれたのでした。考え方や主張を活字にして残すことは、いずれ社会に役立つから大切なことだと考えられ、立派な論文をたくさん掲載されました。
がんと向き合い生きていく