■周囲の動きがスローモーションで見える
もうひとりの自分と同じような感覚として、「時間が止まる」と感じることがあります。自分の持っている時間と周囲の時間に大幅なずれが生じ、周りの動きがすべてスローモーションで見えるのです。たとえば、手術を進めていて予期せぬトラブルが起こり、迅速に処置しないと危険だといった状況に陥ったとき、急に周囲の動きがスローになり、自分は普段通りにやっているつもりなのに、普通では考えられないようなスピードで正確に処置を終わらせることができた。そんな経験が何度もあります。
「火事場のバカ力」ではないですが、ピンチが訪れた際は極限まで集中力が高まり、これまで蓄積してきた経験、知識、技術などが瞬時にフル動員され、尋常ではないスピードで対処することができるのでしょう。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」