■歯磨き剤も貢献している可能性
日本人の健康寿命の延長には、そうした薬だけではなく、日常の健康管理の“副産物”も関係していると考えられます。たとえば、歯磨き剤です。昭和の終わり頃からフッ素などの成分が添加されるようになりました。フッ素には、歯を溶けにくくして歯質を強化する効果や、歯の再石灰化を促して虫歯を予防する働きがあります。そうした成分が含まれる歯磨き剤を長期的かつ日常的に使用することにより、高齢になっても自分の歯が多く残っている人が増えたと推察されます。
65歳以上の日本人2万人以上を対象に4年間追跡した調査によると、残っている歯の本数が少ない人ほど寿命が短くなることがわかっています。また、歯が多く残っている人は認知症の発症リスクが低いという報告もあります。自分の歯をたくさん残すことが健康寿命の延長につながるわけです。
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