Dr.中川 がんサバイバーの知恵

特殊な膵臓がんでは手術で5年を超える延命も 旅行系YouTuberみずきさんが手術成功を報告

旅行系ユーチューバーのみずきさんと夫のこうへいさん(本人のインスタグラムから)

 特殊な膵臓がんだけに治療法が確立されているわけではありませんが、抗がん剤などとの組み合わせで手術できるかどうかがカギです。その中でも肝臓への多発転移をいかに防ぐかが重要な要素といえます。

 前述した通り、膵臓がんは急増しているがんのひとつです。

 がんができる部位は運かもしれませんが、膵臓がんのリスクは、糖尿病、慢性膵炎、過剰飲酒(日本酒で1日3合以上)、喫煙、膵臓がんの家族歴、肥満など。これらのリスクが複数ある人はエコー検査をお勧めします。

 脂肪が厚いとエコーが届きにくいので、より精度の高いMRCP(MR胆管膵管撮影)がベターです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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