この研究の適切なマスク着用率もデンマークの研究と似ている。マスク推奨群で42.3%がマスクを着用し、非推奨群でも13.3%がマスクを着用したと報告している。感染予防効果は相対危険とその95%信頼区間で0.905(0.815~0.995)と報告されている。1000の感染を905に減らし、その幅は大きく見積もれば815まで減らすかもしれないし、小さく見積もっても995まで減らすかもしれない。小さく見積もっても多少は予防効果があるかもしれない、という結果である。危険率は0.03と5%未満、統計学的にも有意な差である。
この結果をデンマークの研究と比較してみよう。デンマークの研究では相対危険が0.82とこの研究より効果が大きかったにもかかわらず、「統計学的にははっきりしない」という結果である。どういうことだろうか。
■有意差は研究規模に影響される
医療だけでは幸せになれない