第一人者が教える 認知症のすべて

「脳血管障害による認知症」は高血圧と深く関係している

写真はイメージ

 高血圧と特に関係が深いとされているのが、「脳血管障害による認知症」です。生活習慣病の大規模な疫学調査「久山町研究」では、次のような報告をしています。

▽中年期に高血圧前症(収縮期血圧120~139㎜Hgまたは拡張期血圧80~89㎜Hg)の人は、血管性認知症を発症する確率2.4倍(血圧が正常な人と比べて=以下同)

▽老年期に高血圧前症の人は3.2倍

▽中年期にステージ1(収縮期血圧140~159または拡張期血圧90~99)の人は5.9倍

▽老年期にステージ1の人は4.7倍

▽中年期にステージ2(収縮期血圧160以上または拡張期血圧100以上)の人は10.1倍

▽老年期にステージ2の人は7.3倍

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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