Dr.中川 がんサバイバーの知恵

がん治療後の復職率は時短勤務の有無でダブルスコアの開きがある

退院後、職場復帰するまでのサポートが大切(C)PIXTA

 その点で、入院の必要のない放射線治療はメリットが大きい。通院で済み、最新の放射線なら1回の照射時間は数分で、前立腺がんは5回、肺がんは4回です。着替えなどの準備も含めて10分ほど。来院から会計まで2時間ほどです。

 都市部には、仕事帰りに照射できる施設もあって、治療後に一杯飲んで帰る人もいますから、仕事への支障は入院に比べてとても小さいでしょう。

 早期退院には、早期発見が不可欠です。今回の研究結果は、改めて毎年のがん検診をきちんと受けることの大切さを示していると思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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