ヒトにおけるニパウイルス感染では、無症候性(不顕性)感染から急性呼吸器感染症や致死性脳炎まで幅広い臨床症状を引き起こすことが知られています。発症してしまうと致死的な経過をたどることもあり、致死率は推計40~75%と高く、日本では03年に4類感染症に指定されました。
現時点で有効な治療薬やワクチンはなく、対症療法を行うしかありません。感染予防としても流行地域でのコウモリやブタとの接触を避けることくらいしかないのが現状です。
WHO(世界保健機関)は18年2月12日に公表された記事の中で、流行しやすく備えが必要な感染症のうち、同年に優先的に検討すべき感染症としてニパウイルス感染症も挙げています。
今後、ワクチンや治療法などが早期に開発されることが望まれます。
感染症別 正しいクスリの使い方