時間栄養学と旬の食材

【フグ】脂肪の蓄積を防ぐナイアシンが豊富…不眠症予防効果も

フグのナイアシンはアルコール分解も促し晩酌向き

 そんなフグにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。まずは糖質、脂質、タンパク質を代謝するために欠かせないナイアシンです。不足すると取った栄養素が上手に分解できず、体内に体脂肪や内臓脂肪として蓄積されてしまう危険性があります。また、アルコールを分解する際にもナイアシンが使われます。二日酔いや悪酔いにならないためにもお酒のおつまみなどに利用するのもよいでしょう。

 その他にも、ナイアシンの摂取で精神的な安定やうつ病、不眠症の予防効果があるとした論文もありますし、冷え性や肩こりの改善などに役立つ報告もあります。

 ナイアシンと同様に糖質、脂質、タンパク質を代謝する手助けをするビタミンB6も豊富に含まれます。夜は脂質の代謝が悪くなる時間帯ですので、高タンパクでありながら、低カロリーであるフグはまさに夕飯や晩酌向きの食材と言えるでしょう。

 また、骨の健康に役立つビタミンD、貧血予防に役立つビタミンB12も多く含まれます。紹介した栄養素はフグ1食(約80グラム)で十分量を摂取することも可能なので、ぜひこれからの季節にいかがでしょうか。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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