適切なリハビリによって、身体機能、筋持久力、呼吸機能が向上し、心不全の状態も改善するのです。ただ、心不全という病態をしっかり理解したうえで、的確な全身管理を行えなければ、心不全の状態がひどく悪化して「なぜこんなに悪くしてしまったのか。もうリハビリなんてやめろ」といった状況になりかねません。先の患者さんの場合も、全身管理に自信のないリハビリ医なら、歩けない状態のまま帰していた可能性もあります。
ですから、当院のリハビリ主治医には、それぞれの病気について急性期の専門医とも五分に話し合えるよう勉強するように言っています。全身管理は、リハビリによって患者さんがその人らしい暮らしを取り戻す「人間回復」において欠かせないのです。
正解のリハビリ、最善の介護