時間栄養学と旬の食材

【シジミ】疲れに効くオルチニンが豊富 朝に取ることが大切

シジミは朝取ることが大切

 オルニチンもシジミの中で注目すべき栄養素です。必須アミノ酸には含まれないものの、成長期の子供や、大人でも大きなケガをした時や高いストレスにさらされている時などの体力消耗時に体内で不足するため、意識して取りたい準必須アミノ酸と呼ばれるアルギニンから生成される栄養素です。肝臓には、有害な毒素を無害化するためのオルニチンサイクルという仕組みがあるので、疲れている方にはぜひ摂取していただきたいですね。血中の脂肪代謝が改善されたという結果や、オルニチンの摂取後に運動すると摂取しなかった時と比べて疲労感やパフォーマンスの低下を防げた報告があります。

 さらに、ビタミンB12の含有量はレバー並み。味噌汁に一般的に使用される15粒のシジミには、なんと! 1日に必要な量の5倍ものビタミンB12が含まれていることがわかっています。ビタミンB12は赤血球数を増やし貧血を予防する効果がありますので、同じく豊富に含まれる鉄の効果も合わさり、貧血予防も期待できますね!

 中高年を対象にしたオルニチン400ミリグラムを1週間就寝前に飲み続けた実験では、飲んでいない人に比べて就寝時刻が1時間程度遅くなっています。極端な朝型の方以外は、朝に飲むと夜型化を防げるでしょう。

2 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事