脳卒中を発症した場合、脳の損傷箇所によっては後遺症としててんかんが起こるケースが少なくありません。くも膜下出血や脳出血ではよく見られますし、頻度は高くありませんが、脳梗塞でも起こる場合があります。また、高齢の影響では脳が変性し、てんかんが起こりやすくなるケースもあります。こうしたことから、この患者さんにも予防のために抗てんかん薬が使われていました。
しかし、それにしては投薬量が多すぎます。この患者さんは小さな脳梗塞であり、脳出血痕も見当たらない。脳が安定した状態から判断して、まずは1種類の抗てんかん薬を中止しました。もちろん、老健スタッフによるてんかん管理体制を整えたうえでの実施です。
すると、数日後に意識障害が改善してきて、約2週間で意識が清明となりました。そこで、さらに減薬すると、1カ月目にてんかん発作が起こりました。それを受け、抗てんかん薬は1種類のみで投薬量を発作が起きない最少量に調整しました。
正解のリハビリ、最善の介護