原因のひとつとして「複数の医師がそれぞれ複数の薬を処方している」ことが挙げられます。高齢になると、いくつも病気を抱えている場合が多いため、それぞれの病気に対して何人もの医師が診ているケースが少なくありません。たとえば、その患者さんを診ている4人の医師が、それぞれ5~6種類の薬を処方すればアッという間に薬が増えてしまうのです。
当院では回復期病院でも老健でも、基本的に1人の主治医がその患者さんを診ています。そのため全部の内服薬をチェックでき、「これほど多くの薬を飲むのはおかしい」と判断できるのです。世界的な基準では、深刻な副作用や相互作用を起こさないためには、服用する薬は5種類までといわれています。当院では、まずは患者さんが飲んでいる薬を半分まで減らして、5種類以下にすることを目標にします。
患者さんは入院されるときにたくさんの持参薬を持ち込みます。持参薬は2週間程度ですべて飲み終えるので、その時点でどの薬が本当に必要なのかを見極め、減らしていくのです。そこから、減薬しても問題ないかを確認し、状態が安定していれば5種類以下まで減らすことを目指します。
正解のリハビリ、最善の介護