■十分なタンパク質を補充していない施設もある
しかし、中には「体重×0.7~0.8グラム」程度の量しかタンパク質を提供していない病院もあります。適切なリハビリを実施するためには十分な量のタンパク質が必要だと主治医が気づいていなかったり、その患者さんに必要なタンパク質の量を計算せずに食事をルーティンにオーダーするケースもあるのです。
タンパク質=プロテインでの補充だけでなく、「ある程度のカロリー摂取が必要だけれど、カロリー制限も行わなければならない」「ビタミンの摂取は最低限これだけの量が必要になる」といったように、主治医は患者さんの病状と栄養状態を把握したうえで、筋力や体力が回復できる栄養管理をおいしい食事として提供するのが回復させるコツです。しかし、その当たり前が実践できていない医師や病院も少なくありません。適切なリハビリの効果を得て、事前に予測したレベルで人間力を回復させるためには、主治医には、食事の内容や量、味、体重や筋肉量、普段の活動の様子などを総合的に把握して、栄養とリハビリのバランスを調整していく力量が必要なのです。
正解のリハビリ、最善の介護