第一人者が教える 認知症のすべて

交流は認知症予防になる…幅広い年齢層が毎晩集まり真面目な話から軟らかい話まで盛り上がる

酒を飲み交わし話をするために漁村へ(写真はイメージ)/(C)iStock

 40~70代の幅広い年齢層が爆笑し、仕事や人生の真面目な話から、軟らかい話まで盛り上がる。誰かが誰かに一方的に説教や批判をしたり、過去の栄光話を語り続けるといった、女性が日頃飲み屋でしばしば目にする光景は見たことがない。

 前回女性が行った時、帰り際までテーマになっていたのが、岩手県出身の演歌歌手、福田こうへいさんの「母ちゃんの浜唄」の歌詞についてだったそうで、「『小イワシはいらんかね 七日経ったら鯛になるよ』とあるが、魔法を使ってもイワシは鯛にならない。どういう意味なんだ」ということについて、いろんな意見が飛び出した。漁師さんの朝は早いこともあり、いつもは夜8時には帰途につくのですが、その晩は9時まで宴が続いたそうです。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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