気温20度の予想も…急激な寒暖差は命に関わる重大病の引き金になる

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 東邦大学医学部名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏が言う。

「前日に比べて気温が5度以上、上下動する日は要注意です。欧州心臓病学会などは、最低気温が10度低下すると心筋梗塞の発症が7%増加、平均気温が10度低下すると10%増加すると報告しています。暖かい日が2、3日続くと、副交感神経が活性化して体がその環境に慣れてきます。そんな状態から一気に5度以上も気温が下がると、血圧が急激に上昇して心拍数が増加するとともに、血液が固まりやすくなります。そして、急性心筋梗塞や脳卒中などの心臓血管病で突然死するリスクが高まるのです」

 厚労省の統計でも、心臓疾患による死亡数が最も多いのは1~3月にかけてである。急激な寒暖差には、しっかり対策を講じたい。

「暖かい日が続いたとしても気を緩めないことが大切です。急に寒くなっても、ずっと薄着で過ごしたり、暖房を切ったままにしないようにしましょう。ヒートショックを防ぐためには、入浴前に浴室や脱衣所を暖めたり、熱い湯船につかったときはゆっくり時間をかけて出るといった対策も続けたほうがいい」

 寒暖差にしっかり注意を払いながら春を待ちたい。

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