「いつの間にそんなに近所の知り合いの輪が広がったの、と驚きました」(Aさん)
一方、父親より5歳年下の母親は、65歳まで働き、定年退職。「仕事を辞めたら旅行でも行こうかな」と話していたのが、リタイアした途端に気が抜けたようで、どこにも出かけようとしない。父親の話によれば、一日ぼんやりとテレビを見ていて、お化粧もしなくなった。
畑仕事に誘っても「だるいから」「めまいがするから」「なんだか調子が悪いから」……。
そんな生活が1、2年続き、「お母さんの様子がおかしい」と父親からの連絡でAさんが様子を見に行った時は、認知症を疑う症状が出ていました。
なかなか病院に行ってくれず、アルツハイマー型認知症と診断されたのは約半年後。それから5年、Aさんは父親、大阪に住む妹と協力し、高知県と兵庫県を行き来し、母親の介護をしています。
第一人者が教える 認知症のすべて