正解のリハビリ、最善の介護

「老健」のリハビリでより回復するための方法はあるのか?

「ねりま健育会病院」院長の酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

 慢性期の高齢者でも攻めのリハビリを行える「超強化型」の老健に入所すればしっかり回復できる。100歳でも筋力と体力は向上できる。まずはこの“事実”を認識して、回復させるための攻めのリハビリを行う老健がこれからもっと全国に広まることを期待していますし、そうした施設を増やしていかなければなりません。

■自費リハなら制度を超えて取り組める

 私が院長を務める「ねりま健育会病院」に併設している老健「ライフサポートねりま」はもちろん「超強化型」で、それぞれの患者さんの希望に応じたリハビリ治療を実施しています。ご希望は攻めのリハビリから緩いリハビリまでさまざまですが、それに対応することが「超強化型」老健の役目です。

 ただ、以前もお話ししたように、認知機能や体力がそこまで落ちていない状態で、しっかり機能や能力を回復したいと考えている高齢者では、定められている1日30分のリハビリ訓練量では足りません。回復させるための1日のリハビリ時間はできれば計6単位(120分)が必要で、さらに4単位(80分)が欲しいところです。

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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