なりやすい病気は血液型でわかる

血液型の違いでリスクに差 A型は「胃がん」になりやすい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 台湾で34万人を対象に行われた研究では、A型のリスクがO型の1・38倍と出ました。イランで5万人を約7年間にわたって追跡した研究では、A型のリスクがO型の1・57倍、B型のリスクが1.59倍となりました。ちなみにイランではAB型の割合が低いため、統計的に有意な数字は得られていません。

 日本からもAA型、AO型などの遺伝子タイプと胃がんの関係を調べた研究が発表されています。同じA型でも両親からA型遺伝子を引き継ぐと、遺伝子タイプはAA型になります。片方からA型、もう片方からO型の遺伝子をもらえば、遺伝子タイプはAO型になります。血液型性格診断によく出てくるので、ご存じの方も多いと思います。

 論文によれば、AA型のリスクはO型(OO型)の1.43倍ということでした。同様の研究が韓国でも行われ、とくに男性のAA型のリスクがO型の1.56倍という数字になっています。

 人種や民族が違ってもA型が胃がんになりやすい傾向に変わりはありません。残念ながら普通の血液検査ではAA型かAO型かは分かりませんが、A型の人はとりあえず胃がん検診を受けたほうがよさそうです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。