なりやすい病気は血液型でわかる

膵臓、胃以外の「がん発症」と「血液型」との関係性

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 口腔がんは、血液型との関係がかなり前から指摘されていました。とくにインドなど南アジアでは噛みたばこの習慣があるため、口腔がんが多いことで有名です。インドの研究グループが行った最近の研究では、「A型は非A型よりも約1.2倍、前がん症状を起こしやすい」ことが示されました。別の研究でもA型のリスクが報告されているので、ある程度の信憑性はありそうです。

 最近、なにかと注目されている乳がんですが、こちらは血液型との関係は低そうです。過去の論文の数字を統計学的に再評価した研究が最近発表されました。それによれば「A型の白人が非A型の白人よりもリスクが若干高い」という結果になっています。しかし、東洋人では血液型による違いはなさそうです。

 前立腺がんについては、最新の研究でA、B、О型のリスクはほとんど違いませんが、「AB型で1.25倍」という数字が出ています。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。