自然な歩行も可能に 「義肢」の性能はここまで進化した

「あのような義肢を利用した選手の活躍が世界中に発信されたことは、身体障害者にとっては大変な励みになったでしょうね。中には“私もやってみたい”と希望を抱く人が出てくると思いますよ」(臼井室長)

■費用は6万~200万円

 同センターでは、年間2000体を超える義肢・装具を製作している。最近は高齢者が増えているそうだが、利用者の年齢層は1歳から96歳までと幅広い。2000体超のうち、スポーツ選手の割合は約5%。残りの95%は、「非外傷性足切断」(糖尿病などの病気)である。

 義肢製作に至る手順は、足が切断されたあと、切断した部位が固まる時間を待って(平均は手術後1カ月)、義肢の「仮合わせ」がスタートする。

 義肢の製作は、切断面(平面か凹凸があるか)の違い、サイズ(足首から下か、膝から下か、ももから下か)、片足か両足か、性別、体重、身長、健足(残された足の筋肉度合い)などを考慮して緻密な計算がされる。

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