スマホが医療を変える

健康医療産業を破壊 健診医や検査技師は職を奪われる

患者や一般市民に、健康管理や疾病予防の“主役”がシフト(C)日刊ゲンダイ

 スマホ医療が進展すると、医師から患者や一般市民に、健康管理や疾病予防の“主役”がシフトしていきます。スマホとそれにつながるウエアラブル計測装置、治療装置、さらには自身のゲノム情報を携帯し、専用アプリやネット上の人工知能で“武装”した一般市民は、医療の専門家たちにとって手ごわい相手になっていきます。そして、従来の健康医療産業に破壊的な影響を及ぼしていくことになるでしょう。

 最初に危機を迎えるのは、健診で食べている医師や技師たちでしょう。年1回の職場健診など、ほとんど無意味になっていきます。彼らは法律を盾に、必死に既得権益を守ろうとするかもしれません。しかし、そもそも法律は、彼らの生活を守るためにあるのではありません。

 慢性疾患の治療や管理も、スマホとウエアラブル装置にシフトしていきます。いままで軽症患者ばかりを相手に、処方箋を書くのが仕事という開業医も、次々に淘汰されていきます。医師免許を持っていれば食べていける、といった時代は終わりを告げます。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。