スマートフォンを病気の治療に役立てようという取り組みが急速に進んでいます。米国を中心に、多数のベンチャーや大企業が入り乱れて、スマホ対応のウエアラブル治療装置の開発競争を展開しているのです。
先陣を切ったのは、あるベンチャーが開発した慢性疼痛治療器。スポーツ用のバンドに電極を取り付けた単純な装置です。ホームページによると、これをふくらはぎに巻きつけて、パルス電流で神経を刺激します。するとそれが脳に伝わって、痛みを和らげる物質の分泌を促すのだそうです。スマホと接続でき、治療履歴などが記録できるようになっています。すでにFDA(米食品医薬品局)の承認を得ており、資金調達も順調に進んでいるようです。
しかし、主戦場は「ウエアラブル人工膵臓」です。もちろん糖尿病患者がターゲットです。とくに「1型」と呼ばれる児童期に発症する糖尿病では、ほとんどの患者がインスリンに依存する生活を余儀なくされます。
スマホが医療を変える