実際、東京都に隣接する埼玉県と山梨県が、少ないほうの1位と2位を占めていますし、3位の佐賀県は、福岡県に隣接しています。1位の東京都と最下位の埼玉県の差は2・25倍に達しています。
全摘術の多い県のほうが、付属器切除の割合が低い傾向がみられます。東京都、大阪府などの例外を除けば、ほとんどが全国平均よりも低い数字を示しています。子宮頚がんの全摘術では、付属器切除はあまり行われません。つまり付属器切除の割合が低い県は、子宮頚がんの全摘術が多いことを示唆しています。逆に全摘術の少ない県のほうが、付属器切除の割合が高い傾向になっており、子宮頚がんの全摘術が少なかったことを示唆しているのです。
上位5位の香川県や9位の鹿児島県は、子宮全摘の半分以上が子宮頚がんだった可能性があります。下位2位の山梨県、6位の富山県、9位の岡山県などは、全摘に占める子宮頚がんの割合が3割前後にすぎなかった可能性が高いのです。
子宮がん検診の受診率との相関を見ましたが、これといった傾向はありませんでした。この違いは各県の医療技術や医師の判断のバイアスによるのかもしれません。
明細書が語る日本の医療