高齢者に多い不定愁訴 「頭鳴り」にはどう対処するべきか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「頭鳴りは一時的な場合と持続的な場合があり、持続的な場合は不眠になったり食欲不振になる人もいます。頭鳴りが起きると、頭全体あるいは片方が重く感じて、めまいや頭痛を伴うことがあります。頭鳴りを起こしやすいのは糖尿病や高血圧などのリスクがあるメタボな人、喫煙歴がある人、毛染めを使っている人、夜勤の人、ヘルペスが再活性化した人、騒音にさらされている人、難聴の人などです。また、脳の興奮を抑える薬を長期間使っている人も頭鳴りを起こしやすいことがわかっています」

 頭鳴りがなぜ発生するのかは完全には解明されていない。坂田院長は「慢性的な耳鳴り」「脳の虚血」「めまい」「頭痛」が関係しているのではないか、という。

「耳鳴りは空気の振動を電気信号に変える過程での異常によって起こります。その乱れた電気信号により、側頭葉などの脳に慢性的に異常が起こって頭鳴りが起こるという考え方です。もうひとつは、ストレスや脳血管障害などにより脳が虚血状態となったことで脳が異常興奮したり、栄養不足になったりして起こるケースです。他にけいれん様発作があります。めまいを起こした人で眼運動に異常がある場合は、複数の薬を組み合わせて投与するカクテル療法を施すと頭鳴りがスッと消えた、という患者さんがいます。めまいの一部もまた頭鳴りが関与していると考えられるのです」

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