独白 愉快な“病人”たち

ゆーとぴあ帆足新一さん 直腸がん経験も「病気をネタに」

ゆーとぴあ・ピースの帆足新一(C)日刊ゲンダイ

 ボクは本当に薬も注射も嫌いだし、生まれてから60年間、病院とは無縁できたんです。風邪なんかショウガとニンニクで治してきたんですから……。でも、暴飲暴食で生きてきたから、胃は何かあるかもしれないとは思っていたんです。それが腸の方だった。しかも、直腸に4センチのがんでした。

 医師に「がんです」と言われたときは、「まいったな」と思ってへこみました。ただ、幸いにも浅くとどまっていてくれたので、初期のステージⅠ。それを聞いて「それなら大丈夫、助かるだろう」と少し楽になりました。検査をした病院から紹介していただいたのが、慈恵医大でした。主治医はまだ50代後半とおぼしき先生で、妙にノリが軽くてちょっと不安になったんですが、実はとても腕のいい先生らしいんです。

■空腹に耐えきれず退院を直訴

 手術は、直腸内の4センチのがんをこそげ取るという内視鏡手術。それができる内視鏡は特殊で、できる病院はあまりないと聞きました。手術前、先生から「部分麻酔にしますか? それとも全身がいいですか?」と聞かれたときは、迷わず「全身麻酔でお願いします」と答えました。部分麻酔だときっと手術中の音が聞こえるでしょ? あれ、怖いじゃない。注射だって嫌いなんだから(笑い)。

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