初の診断キット発売 「潰瘍性大腸炎」治療の何が変わる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 潰瘍性大腸炎の治療薬は複数あり、寛解導入や維持が困難な場合には、2剤、3剤と組み合わせることになる。

「このメサラジンは良い薬ですが、場合により1日に9錠も服用しなければなりません。効果不十分であれば、座剤なども使用しますので投薬量はもっと増えます。これらは症状を消失させ良い状態を維持する薬剤であり、根本的治療法ではないため、ずっと服用を続けなくてはなりません」

 内視鏡検査で腸管の炎症が治まっているのを確認できれば薬の量を減らすこともできるが、内視鏡検査は事前に大量の下剤を飲みスコープを挿入する検査のため患者の負担が大きい。

 ところが今回の試薬キットは、便さえ取ればOK。便中のカルプロテクチン濃度という客観的な数値が炎症の重症度を表す。精度は内視鏡検査に決して劣らない。炎症の消退が確認されれば、薬の減量も可能となる。 

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