がんと向き合い生きていく

5年目で悪性リンパ腫再発を繰り返しても20年で完治させた患者がいる

都立駒込病院の佐々木常雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 悪性リンパ腫にはたくさんの種類があります。質が悪くて治療しても不幸な結果になることが多いものや、治療しないで自然経過を見てもよいものなどさまざまです。

 日本人に最も多いのは「びまん性大細胞B細胞型」です。年齢に関係なく、薬剤で完治する可能性が高いのがこのタイプです。

 私が経験した約1000例の悪性リンパ腫の患者さんの中から、このタイプの患者さん3人を紹介します。

 病院事務職員のRさん(43歳・男性)は、結婚して半年後、風呂に入った時に両側頚部、腋窩部のリンパ節腫大に気づきました。熱も痛みもありませんでした。

 頚部のリンパ節生検で「悪性リンパ腫びまん性大細胞B細胞型」の診断となり、CT検査では腹腔内リンパ節も腫大していることが分かりました。ステージⅢでした。

 Rさんは化学療法で治癒を目指すことになりましたが、抗がん剤は精巣にもダメージを与えます。そのため、夫婦で相談して治療開始を数日遅らせ、産科のある病院で精子を保存してから治療が開始されました。

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佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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