治療後、Mさんはご近所の友人の命日にはお宅に出かけて仏壇に手を合わせ、おまんじゅうやおせんべいをいただいて帰っては、糖尿病を気にせず夜中に食べたり、訪問したヘルパーさんが散歩に誘っても断り、帰るのを待ってからひとりで散歩に出かけたりするなど、たくさんのエピソードを残されたかわいいおばあさんでした。
悪性リンパ腫が完治して通院もなくなりましたが、Mさんが100歳になられた時、娘さんたちと外来に来られ、一緒に記念写真を撮って下さいました。いつもニコニコされているのに、写真撮影の時だけは「笑って」と言っても、緊張されて笑顔をつくらなかったのが印象的でした。Mさんは102歳まで再発なく天寿を全うされました。
悪性リンパ腫は、体の状態が悪くなければ何歳でも治療可能で、薬で完全に治癒する可能性がある病気なのです。
がんと向き合い生きていく