今年8月、都内の病院に勤める男性医師が過労で自殺し、労災と認定されたという報道がありました。5月にも新潟の病院の女性研修医が自ら命を絶ち、過重労働が原因だと労災認定されています。医師の長時間労働はかねて指摘されている問題で、あらためて医師の働き方について議論が交わされています。
医師不足や偏在など、いくつも要因はありますが、一方で「自己管理」ができない医師が増えているのも事実です。
■“流れ”に巻き込まれると悲劇に
私が医学部に入学した70年代後半に比べ、いまは医学部の定員が増えています。同時に少子化によって同学年の受験者数が減ったことで、かつての20倍くらい医学部へ入学しやすくなっているのです。医学部の入学者は偏差値も下方に拡大し、裾野が格段に広がりました。こうした状況とともに、「なんとなく医者になりたい」といった漠然とした動機で入学してくる学生も増えています。
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