卵巣がん死亡率が95%低減 遺伝子検査を医師が薦める根拠

卵巣がんは1次予防が大事(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 慶応義塾大学医学部産婦人科学教室・青木大輔教授が言う。

「発見時にはすでに腹膜内にがんが広がる腹膜播種や転移が見られるⅢ期以降が卵巣がん全体の半分近くに及びます」

 がんは、1次予防が「がんにならないこと」、2次予防が「検診などでがんを早期発見すること」。検診が早期発見につながらない卵巣がんでは、1次予防に力を入れるしかない。

「それがHBOCかどうか、つまりBRCA1・2遺伝子変異の有無を調べることです。卵巣がんを発症しておらず、遺伝子変異が見つかった場合、左右の卵巣・卵管を切除するリスク低減卵巣・卵管摘出術(RRSO)で、大幅に発症リスクを下げられます」

■遺伝子変異は一生涯変わらない

 海外の研究では、RRSOによって卵巣がんの死亡率が95%低減。卵巣から分泌される女性ホルモンが乳がんの原因にもなるため、乳がんの死亡率も90%低減。全死亡率は76%低減という結果が出ている。

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